篠原ともえの代表曲といえばウルトラリラックスです。アップテンポでウルトラリラックスを連呼しているのはリラックスとは程遠い雰囲気ですが、元気があって活発なイメージの彼女にぴったりでした。 作曲はテクノ業界の先駆けである石野卓球が担当していて、今曲を聴いても古さや時代を全く感じさせないのはさすがです。個性的なキャラクターを生かした曲で本人の歌の才能は二の次にされていますが、石野卓球の作品は単調な繰り返しに見えても技術的にも難しいものが多く、篠原ともえ本人に歌唱力があることは間違いありません。傍若無人なハイテンションを後押しするような曲が多いですが、バラードを聞いても歌唱力が安定していることがうかがい知れます。後に舞台やオペラに出演するようになるのも自然な流れだったのではないでしょうか。彼女も３０代を過ぎてアーティストへ本格的に転向し作詞作曲をこなす実力派シンガーへと変貌しています。キャラクターを演じる必要のない今こそ実力を存分に発揮できるはずです。